2006.04.20 月と少年
月と少年(日本語版)
月と少年(日本語版)


  「ザモレオンじいさんは、もう300年も、月のみちかけ屋さんを

   しています。まいばん月に大きなぬのをかぶせて、すこし光を

   かくすのです。

   めずらしい仕事でしょう?」


こんな出だしで始まるお話。

ぽっかり夜空に浮かぶ月には、大きな布を操るおじいさんの姿が。


すごい発想だなあ。

”月にうさぎがいて餅つきを…”って言うのも、すご〜い!!って

思うけど、コレも負けてない感じ。


宇宙学校の難しい試験に受かったティモレオンは、ザモレオンじいさんと

交代するために早速月に旅立つことになりました。

月まで飛んでいけるという、「身体を空気のように軽くしてくれる薬」を

携えて。

          …走る。走る。ティモレオン。
 
          疲れきったザモレオンじいさんを

          一刻も早く楽にしなければ。


でも、なんといこうこと!!

その薬を落としちゃったんです。

   どこを探してもない。ない。ない。


見かねた沢山の友達が、ティモレオンを月まで飛ばしてあげようと、

いろんな試みを重ねますが、どれも、コレも失敗します。

さあ?どうやったら、月まで行けるのでしょう?

   朝になる前に、早く、早く、早く!!


…さあて、その結末は…??


この絵本はお話も素敵ですが、絵がなんと言っても素晴らしいです。

夜のお話だから、どのページも青や深い藍といった色で覆われています。

でもその中に感じる月明かりが、見事なんです。

月明かりの中に浮かぶ景色や、人影の美しさ。

”夜”の豊かな表情に吸い寄せられる気がします。

とても、とても。美しい絵本です。(^^)
まっくろけのまよなかネコよおはいり
J.ワグナー ロン=ブルックス 大岡 信
4001105829


ローズおばあさんと犬のジョン・ブラウンは二人だけで寄り添って

暮らしています。

ジョン・ブラウンはローズおばあさんが大好きで、自分に思いつく限りの

ことをしてあげる毎日を幸せに思っていました。

おばあさんも

  「わたしたち もうほかに なんにもいらないね、ジョン・ブラウンや」

と。


けれども、そんなバランスの取れた暮らしに変化の時が訪れます。


     ”まっくろねこ”の登場です。


はじめに気づいたのはおばあさん。

ある晩外にいるまっくろネコを見つけます。

ジョンブラウンも存在に気づきますが、どうしても認めたくないんでです。

    だって。

    大好きなおばあちゃんに自分だけを見ていて欲しいから。


ジョン・ブラウンは、まっくろねこを遠ざけるために一生懸命。

あの手、この手をつくしますが、おばあちゃんはまっくろねこに

そばに来て欲しいのです。

変化を望まないジョンブラウンと、変化を望むおばあさん。

初めて価値観のずれに遭遇した二人の行動とは…?


誰かを本当に思いやるとき、自然に自己犠牲を伴えるものなのかも

しれないなあ。

そんな思いを新たにした一冊です。


この絵は線画というのかな。

細かく書き込まれた絵にやわらかく彩色してあって、独特の雰囲気。

ジョン・ブラウンやまっくろネコの質感、毛の流れ方なんかが見事に

表現されていて、きっと、この絵を書いた方は動物好きなんじゃないかなあ。

…なんて事までも浮かんでしまいました(^^)







2006.02.23 よるくま
よるくま
酒井 駒子
4033312307
小さな男の子が、ママに今日の出来事を報告する形で話が進む。

芸が細かいと思うのは、男の子と、ママの会話、それぞれの部分の

字体を変えてあること。

男の子が「よるくま」のまま探しを手伝って、ママに会えるまでが

メインのお話。

よるくまが悲しくて流す涙はまっくろ。

泣いているうちにだんだん辺りはまっくらに!

悲しみの表現にこんな手法があったのか、と驚かされました。

不思議感覚かつ、心和む絵本です。